先日、職員研修をおこないました。
講師には、グループホーム「ばくはうす」の吉川慶春さんをおむかえしました。
「ばくはうす」は八幡市にあるグループホームです。吉川さんにはグループホームの開設から今にいたるまでの経過をおはなしいただきました。
吉川さんは、しょうがいをもつ若者たちの生活の拠点にとグループホームを思い立ちました。
先に運営をはじめているグループホームを見学したりしながら、2004年12月に「NPO法人ばくのいえ」を設立します。
翌年3月にグループホーム「ばくはうす」を開設しました。
吉川さんは世話人の仕事も兼務します。まだ前の仕事についていたころは2泊、退職してからは4泊していたとのこと。そのバイタリティーに驚きました。
その後、世話人さんも増え、現在は食事を作る世話人さんと泊まりの世話人さんが二人の利用者の方と体験宿泊をする方の生活を支えているそうです。
このグループホームのほかに、月に1回食事会を開催したり、当事者のバンドのお手伝いをしたりしています。
吉川さんのお話を聞いて数日後、実際に「ばくはうす」を見学させていただきました。
グループホームはあんずから自転車で15分ほどのところにあります。閑静な住宅街の一角の普通の一戸建ての家です。
家にあげてもらうと気持ちのいい風が窓から玄関へと通り抜けていきました。
今年で9年になる「ばくはうす」ですが、とてもていねいに手入れが行き届いています。さっぱりと整理されていて清潔な空間なのです。
他の一部のグループホームには、住んでいる人が可哀相なほどよごれたところもある中で、お世辞でもなく「ばくはうす」に暮らす人は幸せだなと思いました。
幸せだというよりも、よりあたりまえの生活をおくっているといっていいのかもしれません。
「だれもがあたりまえの生活を」というスローガンは、どこでも見ることができます。でも、あたりまえの生活を実現しているところは、思いのほか少ないのです。
吉川さんたちの気遣いというか考えは、いまの世の中でとても貴重なものです。
それは、不潔な空間がひとの生きる力を減退させるということを吉川さんがよく知っているからだと思います。汚い言葉や意地汚い素振りに日々接していると、心が病んでしまうのと同じです。
快適な空間にはやさしい気持ちがはぐくまれる、ということを実践されていることを強く感じました。
そして、それが「あたりまえ」ということ意味だと思うのです。
追記 ばくはうすは、ケアホームに移行しました。
つのだ